TOP > 特別栽培米の眞木優 日記 > 1/19(木/曇)【腐植とは?…腐植と土壌の関係】
1/19(木/曇)【腐植とは?…腐植と土壌の関係】|特別栽培米の眞木優|note
1 標記勉強会が、佐賀県BROF倶楽部主催で行われた。
佐城地区農業振興センター(13:30~16:10)
2 講師は、エンザイム㈱代表取締役社長 鈴木一哉さま
3 腐植とは、なかなか奥が深い。
また、『活用が分かり難い。…その効果は?』
☞今回、分かりやすく、教えていただいた。
以下、私のメモ等を添え、今後の農作業等に活かしたい。
----------------------
堆肥は、大きく4つに分類され、その種類で性質等が異なる。
① 即効性窒素型(易分解、炭素量少)
・ 鶏糞は、卵と肉用の2種があり、ペレット状が多い。
肉用(ブロイラー)は、51日で出荷となる。鶏は腸が短いので
高タンパク、チッソ量が高い。
・ 豚糞は、粉が多い。
180日(体重110kg)で出荷される。…因みに、豚の寿命は、
7~8年
・ 米ぬか、酒かすも本分類に属する。
② 遅効性窒素型(難分解、炭素量少)
・ 綿実油粕…ゆっくり効くので、盆栽に使われる。
・ 蹄(ひずめ)、角、羽も本分類に属する。
③ 炭水化物供給型(易分解・炭素量多)
・ 木質(おがくず)は、バーク(木の皮)と比べ、分解が早い。
・ 葉や草、稲わら、菌床も本分類に属する。
④ 土壌改良型(難分解・炭素量多)
・ バーク(木の皮)は、木質(おがくず)と比べ、分解が遅い。
・ 牛糞は、エサ自体が牧草…タンパク質が少ない。
・ 馬糞は、微生物を、たくさん作って、タンパク質を作る。
・ 分解が遅いので(分解が早いと効果が無くなるのが早い為)
砂地に有効な資材となる。
* 牛糞のエサである『トウモロコシ』に『クロピラリド(除草剤の
成分)』が、含まれている為、注意を要する。
【「いい堆肥」って?地力は腐植そのもの】
堆肥は、『①生物性、②化学性、③物理性』の3つの性格がある。
① 生物性
微生物量、微生物の多様性
② 化学性
・ キレート作用
キレートとは、蟹のハサミの事、良い物を取り入れ、
悪いものは出す。
・ PH、EC等
・ 保肥力(CEC)の値が高くなると良い。
・ CN比 炭素C/窒素Nの事
例えば、①C30/N3=10、②C10/N1=10(バーク堆肥)
CN比が、同じ10でも、堆肥の内容(①と②)は、別物である。
また、炭素Cは、エネルギー(炭水化物)となる。
・ 土壌C/N比は『12~20』で、微生物が活性化する。
③ 物理性
・ 固さ、水捌け、粒状
分解性が低いものは、水捌けが良くなる。
* 前述①、②、③を併せたものが
『地力』…有機物量(生物性+化学性)、酸素濃度(生物性+物理
性)・保肥力(化学性+物理性)であり、
『有機酸』が、高くなる事を『腐植』と言う。
よって、地力は、腐植そのものである。
【「土壌」の生成過程】
1 土壌は、元々、岩石(地球が生まれた時、殆ど、溶岩・岩石)である。
2 その岩石は、風化作用(物理的・化学的)で、母岩となった。
3 更に、母岩は、異質物混入や移動。また、前述の風化作用を重ねた形の
母材となる。
4 母材は、地形、気候、生物(有機物)や、時間的(長い年月)や
人為的な土壌生成作用を経て、土壌となった。
5 つまり、生成過程は、
①岩石⇒②母岩⇒③母材⇒土壌となり、一握の土には、複数の人骨、
人肉、動植物の遺骸が含まれているかも知れない。
【土壌有機物】
1 土壌有機物は、次の2つ。
① 生きている有機物(5%以下)
② 死んだ有機物(95%以上)
2 生きている有機物は、次の3つ。
① 植物の根(10%)
② 土壌動物(30%)
③ 土壌微生物(60%)
3 死んだ有機物は、次の2つ。
① 粗大有機物(20%)
② 腐植(80%)
☞前述の腐植(80%)の中身は、次の2つである。
① 否腐植物質(30%)
生物遺体の分解物、タンパク質、ペプチド、脂肪、有機酸等
② 腐植物質(50%)
腐植酸、フルボ酸、ヒューミン
【腐植物質①】
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、
『植物は死ぬと腐植(*ヒューマス)になり、肥料となる。
植物は、養分を土の中の腐植気質から、根によって得る。』
【腐植物質②】
17世紀のアレブレヒト・テーア…合理的農業の原理で腐植栄養説を提唱
☞近代農業の始祖
『土壌の肥沃度は、完全に腐植に依存し、水とは別に、それ単独で
養分をもたらす。腐植は命の副産物であり、生命の一つの状態
でもある。腐植なくしては、如何なる個別生命も考えられない。』