TOP > 特別栽培米の眞木優 日記 > 4/15【お米づくり準備・米ぬか集め】
田んぼの「元気付け・雑草抑制」の為、米ぬか蓄積を始めました。
特別栽培米づくり…着々と始まってます。^^
*お勉強 出典:トンズ暮らし手帳
《米ぬか 特徴と使い方【肥料の上手な施し方】》
米ぬか肥料はゆっくり効く『リン酸』肥料!
米ぬか肥料は、玄米を精米するときに出る粉です。米や無人精米機所などで手に入る「生の米ぬか」と肥料として販売されている「脱脂米ぬか」に、大別されます。
「脱脂米ぬか」は、米ぬかから油を搾ったあとのカスで、粉末のほか、顆粒にして使いやすくしたものもあります。また、「生の米ぬか」を発酵させてペレット状にしたものなども販売されています。
【米ぬか肥料 成分比 目安】…*御参考《 》内は菜種油粕の数値です。
窒 素(N)=2~2.6 《5.3》
リン酸(P)=4~6 《2.0》
カ リ(K)=1~1.2 《1.0》
米ぬか肥料は、リン酸の含有量が多く、窒素とカリも含んでいます。もともとが種皮や胚芽なので、糖分やタンパク質も豊富です。そのため、土壌微生物の活動を活性化させる効果に、たいへん優れています。
※米ぬかは虫の大好物でもあるので、保存中に虫が湧いてくることがありますが、効果にかわりはありません。
米ぬか肥料の使い方
米ぬかが、肥料として使いやすいのは、「脱脂米ぬか」です。分解がゆっくりなので、元肥として作付の2週間前に施し、土によく混ぜ込みます。
「生の米ぬか」は、脂肪分を多く含んでいるため分解が非常に遅く、肥料としては不向きです。また、水をはじくため土の中で塊りになりやすく、そこが害虫や雑菌の巣になりがちなことなどから、肥料にはあまり用いられません。
「生の米ぬか」は、堆肥やボカシ肥をつくるときの『発酵促進剤』として使えます。有用微生物が爆発的に増えて腐熟が早まるので、堆肥やボカシ肥づくりにつきものの悪臭がほとんど発生しません。
※堆肥づくり参考=落ち葉や藁、枯れ草100kgに、米ぬか300~500gを混ぜる。
元肥と追肥に分けて施す!
栽培期間中に必要とする肥料の量(全必要量)は、作物ごとに決まっています。
これを一度に施すと、肥焼けによって根が傷むうえに、吸収できなかった分が無駄になり、地下水など環境中に流れ出してしまいます。
そのため、肥料は元肥と追肥に分けて施します。ただし、コマツナやホウレンソウなどの軟弱野菜は、栽培期間が短く、必要とする肥料の量もさほど多くないので、元肥だけで育てるのが一般的です。
元肥の施し方!
元肥は作付前に畑に施します。石灰資材の投入から一週間間をあけ、化学肥料の場合は作付の4~5日前、有機質肥料の場合は1~3週間前に施します。
肥料の施し方には、作物の下に施す『溝施肥』と、畝全体に混ぜ込む『全面施肥』があります。それぞれ向いている作物があるので、使い分けてください。
単肥の使い方!
三要素(窒素・リン酸・カリ)のうち、窒素とカリは全必要量の半分を元肥で施します。
リン酸は、土の中を移動しにくく、追肥で土の表面に施しても根が張っている地中まで届かないので、元肥で全量を施します。この、基本施肥に従って単肥を組み合わせて使うと、必要な施肥が簡単に行えます。
【三要素が等量の化成肥料を使う場合】
必要なリン酸を、三要素等量の化成肥料だけで、賄おうとすると、窒素とカリが多くなりすぎるので、単肥『過リン酸石灰』を併用します。
【有機質肥料を使う場合】
肥料ごとに、含まれる成分と成分量が異なるので、計算をして、必要量を算出し単肥を組み合わせます。
追肥の施し方!
作付後、1ヶ月ほどで元肥の肥料効果が切れてくるので、追肥を開始します。追肥は窒素とカリを施しますが、作物の様子をみながら、1ヶ月に1回を目安に、作物に合った量の追肥を施していきます。
【化学肥料の追肥】
化学肥料を使うなら、単肥を組み合わせるか、NK化成(窒素とカリのみを含む化成肥料)を使うとよいでしょう。三要素を含む化成肥料も使えますが、その場合、追肥で施したリン酸が効くのは次作以降になります。
【有機質肥料の追肥】
追肥は、早く効果が現れる必要があるので、有機質肥料を使うなら、※ボカシ肥などの発酵済みのものや、発酵鶏ふん、魚かす、草木灰などを利用します。さらに、分解を早めるために、土とよく混ぜることが大切です。
※ボカシ肥=鶏ふんや油粕などの有機物を発酵させて、ガス害などの心配をなくし、早く効くようにした肥料。
【追肥の施す場所】
追肥の施す場所は、根が伸びる先です。地上部の外周あたりまで、根は伸びているので、それを目安に、畝の肩や株間、通路などに施します。マルチを張っているときは、マルチを剥がして畝の肩に施すか、通路に施してください。
まとめ
一口に肥料といっても、様々な種類があり、効果や働きも違います。また、肥料と同じように、作物に欠かせない資材に堆肥があります。どちらも作物を健康に育てるために、土に施すものですが、その働きは違います。
肥料は『植物のための食事』として、また、堆肥は『植物のためのより良い環境づくり』に役立ちます。ただし、草木や野菜はそれぞれ、『食べたい肥料』や『住み着きたい環境』が異なりますので、よく調べて育てることが大事です。
※肥料の使用方法は、植物の生態や栽培環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、事前によく調べる必要があります。
米ぬかの水田雑草に対する除草効果
[要約]
移植後、雑草の発生始期までに米ぬかを10~20kg/a施用することで、イヌビエ、カヤツリグサ類、一年生広葉雑草を防除できる。米ぬか処理で田面水中の溶存酸素量は急激に低下し、土壌は表層から速やかに還元化することから、イヌビエでは発芽が抑制され、タイヌビエ、イヌホタルイ、コナギでは発芽の抑制は小さいが、初期生育は抑えられる。
[キーワード]
米ぬか、水田雑草、除草、酸化還元電位、溶存酸素量
[担当]
三重科技農研・伊賀農業研究室
[区分]
関東東海北陸農業・関東東海・水田畑作物
[分類]
技術・参考
[背景・ねらい]
水稲の無農薬栽培において雑草防除に米ぬかが利用されることがあるが、その効果についての詳細は不明である。そこで、米ぬかの施用量、施用時期及び草種による効果の違いを明らかにするとともに、除草効果の発現要因について検討する。
[成果の内容・特徴]
移植後から雑草発生始期までに米ぬかを10~20kg/a施用するとカヤツリグサ類、アゼナ類、ミゾハコベ、キカシグサの発生はほとんどみられなくなり、イヌビエの発生も抑えられる。しかし、イヌホタルイ、コナギに対する除草効果は小さい(表1)。
雑草発生始期までの処理で除草効果の高い草種でも、処理時期が遅くなると除草効果は小さくなる(表1)。
米ぬか処理でイヌビエの発芽率は著しく低下する。一方、タイヌビエ、イヌホタルイ、コナギでは発芽率の低下は小さいが初期生育は抑えられる(表2)。
米ぬか処理で田面水中の溶存酸素量は急激に低下し、1日後には1mg/l以下となる。また、処理量が多いほどその後の溶存酸素量の増加は遅くなる(図1)。
米ぬか処理で表層から酸化還元電位の低下が始まり、深さ1cmまでの酸化還元電位は1日後に-200mV以下にまで急激に低下する(図2)。
[成果の活用面・留意点]
ほ場試験は早期栽培の稚苗機械移植、減水深1cm以下、水深5cm程度の慣行水管理の条件で実施した。
米ぬか処理のみでは除草効果が不十分なため、機械除草等の有効な手段と組み合わせる必要がある。
米ぬかを処理することで翌日から一週間程度悪臭が生じる。
米ぬかの散布はペレット化したものを動力散布機で施用することで省力化できる。
[具体的データ]
[その他]
研究課題名
:資源循環型農業生産技術の確立と環境修復に関する研究
予算区分
:県単
研究期間
:2000~2001年度
研究担当者
:中山幸則、北野順一
発表論文等
:第41回日本雑草学会にて発表予定