TOP > 特別栽培米の眞木優 日記 > 3/1『お勉強・フルボ酸・その②』
出典:フルビックアシッドプラザ
(フルボ酸に関する情報のポータルサイト)
フルボ酸とは
フルボ酸は古代の植物や動物の遺骸が長い年月をかけて変質した腐植物質と呼ばれる有機物の一種です。土壌や堆積物中の動植物の遺骸が微生物の働きによって分解・再合成を繰り返すことで腐植物質は生成されます。生成された腐植物質はその特徴によって「フルボ酸」「フミン酸」「ヒューミン」に大別されます。フルボ酸は酸性水溶液・アルカリ性水溶液のいずれにも溶けることから様々な用途への応用がされています。
自然界におけるフルボ酸(有機物)の循環 フルボ酸は長い年月をかけて生成されるとともに、動植物が生きるためのエネルギー源として循環しています。
フルボ酸(fulvic acid)とは、土壌や地下水、湖沼、河川、海水および地質堆積物などの環境中に存在する天然有機物の中で、植物遺体などの有機物が多種多様な微生物などによる度重なる作用を受け、二次的に生成した、黒色ないし暗褐色から淡黄色を呈する「腐食物質」(Humic substances)と呼ばれる物質群です。
その中のフルボ酸は養分に富んだ堆肥化した土壌に含まれる腐植質構造の一部ですが、適量の酸素を含む土壌環境で腐食する植物に、何百万個もの有益な微生物が働きかけた結果、作り出される微量の酸です。
フルボ酸の大きな特徴は、アミノ酸と結合した複合体ミネラルによって体に不必要なものを排出するキレート作用を発揮し、更に、必要なもの(微量ミネラル)吸収を促し体内の健康を維持してくれる非常に賢い有機体です。
キレート作用とは
キレートとは、ギリシャ語で「カニのハサミ」という意味で、吸収されにくい養分をアミノ酸や有機酸によってカニバサミのようにはさみ込んで、吸収されやすい形に変えたり、反対に有害物質を吸収しにくくしたりする作用を指します。その結果、体内の重金属や、放射性物質を吸着し、これを体外に排出するデトックスの効果が期待できるとされています。
プラス及びマイナスの両方に帯電した不対電子と反応する特殊能力を有し、遊離基を無害にすることができ、有害な遊離基を新たな有用化合物に変え、それら有害廃棄物として除去する性質と同時に重金属を補足し、汚染から毒を除去する働きを持ち、細胞の平均失調を是正します。
高レベルの活性酸素除去能力
放射能が出す放射線が細胞内の水分にあたると活性酸素ができ、この活性酸素が遺伝子を傷つけ重い病を発病する原因となることが知られています。この活性酸素を除去し続けることができれば病気にならない強い体を作ることができます。フルボ酸には高レベルの活性酸素除去能力があることが研究機関の調査研究論文等で証明されています。これをF・R・D(フリー・ラジカル・デトックス)効果と言い、アンチエイジングケアにも効果的です。
人間は本来、体内の余剰な活性酸素を消去する働きを持つ酸素「スーパーオキサイド・ディスムターゼ(SOD)」を体内で自然生成する能力を持っています。しかし30歳ぐらいからSODは減少をはじめ35~40歳までにはほとんどなくなってしまいます。これが老化を促進する原因のひとつとされています。
放射性物質の防御機能
フルボ酸はその分子内に含まれるカルボキシル基などを介して、金属イオンと錯体を形成します。放射性核種ともキレート錯体を形成し、pH3以下で親和性が高く強く結合します。放射性物質の持つ毒性(自然環境、人体への影響)を抑制・緩和する機能が各研究機関によって研究、実証されています。 原子力施設等から漏れ、排出される低・高レベルの放射性廃棄物等の処分において、安全性・有効性(EDTAより機能性が高い)の観点より、採用が検討されています。
フルボ酸の造り方
基本的には自然で生成された腐植物質を含む土壌から抽出作業を行います。学術的にはIHSS法、NAGOYA法と呼ばれる手法が行われており、商品化されているものに関しては各特許製法が使われています。また、土壌だけでなく木材や竹材からフルボ酸を抽出したりもされています。
植物などは死滅すると腐朽し腐植物質になります。腐植物質は高分子有機酸で構成され、土中や湖、河川の底に広く分布堆積しています。特に泥炭や褐炭などに多くに含まれています。腐植物質は、植物の生長、鉱物の遷移および堆積と密接に関連している応用分野の広い天然資源です。
腐植物質はフミン酸とフルボ酸に大別され、フミン酸は一般に分子量が数万でアルカリ性水溶液に良く溶け、フルボ酸は一般に分子量数千で酸性水溶液に良く溶けます。なお、腐植物質の厳密な定義は、国際腐植物質学会(International Humic Substances Society=IHSS)によって定められています。
フルボ酸の精製方法はIHSS法(国際標準法)として確立され、フルボ酸水溶液を酸性(pH<2)としXAD樹脂に吸着後、0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液で溶離し、陽イオン交換樹脂でナトリウムを交換(H+型)後、凍結乾燥します。泥炭、褐炭などに含まれている腐植物質の主成分はフミン酸であるため、十分な量のフルボ酸を得ることが困難な場合があり、フルボ酸の製造コストが高くなる要因です。
腐植物質は堆積層などに含まれるだけではなく、地下水にも含まれており、地下水からフルボ酸を精製することもできます。天然水中のフルボ酸を活性炭により吸着除去する方法ですが活性炭を高温で再生すると、フルボ酸は熱分解または熱変成されてしい回収量は望めません。このため多くのフルボ酸回収技術が提案されています。
フルボ酸の農業利用
水はけを良くしたり、保肥力(養分を蓄える力)を高めたりする効果があります。化学肥料や農薬を利用せずに済むので環境にも優しいです。また、通常よりも良質な作物が収穫できたなどの報告もあります。